UNREAL→LABØ

Unreal Engine4の情報をまとめます。

【第2回】Unreal Engine4をはじめる

 

 

概要

Unreal Engine4 の特徴を知り、プロジェクトを作成してみましょう!

 

 

Unreal Engine 4 とは?

Unreal Engine 4 (以下UE4)は、ハイクオリティ表現がウリのゲームエンジンです。

プロ仕様でありながら、基本無料で使用できることが特徴で、ゲーム開発だけでなく、映像、建築、教育などの幅広い分野で活用されています。最近では、大手ゲーム会社も採用しているのでロゴなどを見たことがあるかもしれませんね。

 

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Blueprint(ブループリント)

 

UE4にはノードベースのビジュアル・スクリプト「Blueprint(ブループリント)」という機能があります。

 

ノードと呼ばれる「機能のかたまり」を組み合わせることで、プログラム(文字)を書くことなく様々なロジック・処理を作成することができるもので、簡単にゲーム中のイベントなどが作成できます。

以降では、このBlueprintを使って簡単なゲームを作成しながら学習を深めていきましょう!

 

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 「ノード」という用語は頻繁にでてきます。覚えておきましょう!

 

 

ランチャー起動とプロジェクトの追加

 

エピックゲームズランチャーをインストールしておきましょう。

 

では、まずはじめに使用するUE4のバージョンを決めて、インストールしましょう。

図のように「+」を押して好きなバージョンをインストールしましょう。

 

UE4には、メジャーバージョンがいくつかあり、好きなバージョンを使って作成することができます。初めのうちは気にせず、最新バージョンかそのひとつ前のバージョンを使うのがおすすめです。

今回は4.26を使用します。

 

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インストールしたら「起動」ボタンを押しましょう。
新しいプロジェクトを作成できます。
 
下のような新規作成用のウィンドウが開きます
(最近のプロジェクトが表示される場所はぼかしています)。
 

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 「ゲーム」を選択して「次へ」を押します。
 すると「テンプレート選択」ウィンドウが表示されます。
 
 
ここでは、ある程度の機能が実装されているテンプレートをプロジェクトに含めるかどうか選択できます。「サードパーソン」を選んでください。
 

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このテンプレートには、あらかじめサードパーソン(TPS)視点で動くキャラクターの仕組みが入っているので、TPS風のゲームをつくるときはおすすめです。

 

その他にもさまざまなテンプレートが用意されていますので時間のあるときに見てみましょう! 
 
「次へ」を押してください。
 プロジェクト設定が開きます。
 
ここではプロジェクトの基本的なシステム設定を決めます。
下の画像通りに設定しましょう。
プロジェクトの保存場所とプロジェクトの名前も決めます。
 
必ず名前は英数字にしてください。
また、プロジェクト名は20文字以内におさめましょう。

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もし、お使いのPCスペックが心許ない場合は、「プロジェクトのパフォーマンス特性を選択」の項目を「スケーラブルな3D・2D」にしておきましょう。グラフィックを落とすことで、描画の負担が軽くなります(作成後にも変更できます)。 

 

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なお、作成したプロジェクトはランチャーの「マイプロジェクト」に追加されますので、次回からはランチャーから直接起動できます。
 
すべて決めたら、「プロジェクト作成」を選択しましょう!
作成が始まってエディタが立ち上がるはずです。

 

 

エディタ(レベル)でプレイ

画像のようにエディタが立ちあがったでしょうか。

 

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 サードパーソンテンプレートを選択したので、テンプレートのレベルである「ThirdPersonExampleMap」が開かれた状態で始まりました。


UE4では、編集するステージ・マップのことを「レベル」と呼びます。
覚えておきましょう!

 

(配置などが若干違うかもしれませんが)立ち上がっていれば問題ありません。


画面の説明をする前に、とりあえずプレイしてみましょう。

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画面「ツールバー」にある「プレイ」ボタンを押してください。
エディタがシミュレーション(プレイ)状態になります。

次のような画面に変われば実行できています!

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設定上、画面をクリックしないと操作できないので画面をクリックしましょう。
いわゆるサードパーソンゲームの動きをするキャラを動かせるようになるはずです。

 

マウスで視点の変更、WASDキーで左右移動、スペースでジャンプできます。

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「ESC」キーを押すと停止できます。
適当に動かしたら止めましょう。
 
即座にゲームの動作を確認できる環境が整っているというのは、ありがたいですね!
 
 

ビューポートの操作

さきほどプレイしていた画面部分をビューポートといいます。

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このビューポートカメラの操作方法を学びましょう。

操作方法は以下の通りです。

 

カメラ前後移動
 : 左マウスボタン+前後にドラッグ

カメラ上下左右移動
①:左右マウスボタンを同時押し+ドラッグ
②:中マウスボタン+ドラッグ

 

カメラを回転
①:左マウスボタン+左右ドラッグ
②:右マウスボタン+ドラッグ(こちらでは上下回転も可能)

 

カメラを旋回
:Alt +左マウスボタン+ドラッグ

 

カメラ自由移動(FPS移動)
: 右マウスボタン+WASDキー操作

 

ちなみに個人的なおすすめは右マウスボタン+WASD操作。ラクです。

 

なお、カメラの移動速度はビューポート右上のアイコンから、
または右マウスボタン+マウスホイールで変更可能です。

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アクタ(Actor)の選択

つぎに、レベルにあるアクタを選択・編集してみましょう。

 

アクタとは、レベル内へ配置可能な任意のオブジェクト全般を指します。

 

詳しく分類すれば、Static Mesh Actor や Text Render Actor などなどさまざまな種類があるのですが、今のところは気にせず、追い追い覚えていけば問題ありません。ひとまずざっくりと、ビューポート上に見えるものくらいに考えておけば大丈夫です。

 

ビューポート上の任意のアクタを左クリックして選択してみましょう。
図のようなアクタがわかりやすく操作できるのでオススメです。

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 選択されたアクタは図のようにアウトラインが表示されます。


(選択された状態で)エディタ左上にある「アウトライナ」から、アクタを確認してみましょう。レベル上に配置してあるものすべてがアウトライナに表示されています。
図では「CubeMesh」が選択されていることがわかります。

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別のアクタを選択してみましょう。
あわせてアウトライナの選択も変更されることを確認してください。

 

逆にアウトライナ側からアクタを選択することもできます。
ダブルクリックするとそのアクタにフォーカスが飛びます。
これは覚えておきましょう!

 

なおエディタ上のタブが消えてしまった…というときは、メニューのウィンドウ項目から消えてしまったタブを表示させることができます。

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アクタのLocation、Rotation、Scaleを変更

では、平行移動モードを使って、選択したアクタのLocation(位置座標)を変更してみましょう。選択したアクタに矢印が表示されることを確認しましょう。

 

矢印が出ない場合は「w」キーを押してください 

 
これが平行移動モードの状態です。

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アクタ上に表示されているこの矢印をマウスホールドして動かすことで平行移動操作します。

 

「X軸(赤)」「Y軸(緑)」「Z軸(青)」に動かすことができ、赤矢印をホールドするとX軸のみ、緑矢印ならY軸のみ、青矢印はZ軸方向のみに動かすことができます。
図ではY軸を変更しています。

 

アクタの影が残っていて違和感がありますが、これは後ほど説明します。


おなじように、回転モードでRotation(角度)、スケールモードでScale(拡大縮小)を変更してみましょう。

 

各モードは、ビューポート右上のボタンで切り替えるか、ショートカットキー(W,E,R)で切り替えることができます。

 

 

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スナッピング機能もあるので、適宜使っていきましょう。

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 ある程度動かし方をつかんだら、次へ進んでください。

 
 

詳細タブ

アクターを選択している状態で、エディタ右下の詳細タブを確認してみましょう。

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このタブでは選択したアクタの詳細情報を確認・変更できます。

トランスフォーム項目では、そのアクタのLocation(位置)、Rotation(回転)、Scale(拡大縮小)が表示されています。先ほどはマウスで変更していましたが、詳細タブで値を打ち込んで変更してみましょう。

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図では「CubeMesh」のZ座標(高さ)を500に変更したので少し浮きましたね。

厳密な位置、角度を指定したいときはこのように詳細タブから直接値を指定します。

 

 

 アクタの可動性を変更する

さて、さきほどアクタを移動させたとき、影のみが残る現象がありましたね。
違和感があります。

 

これは、アクタの可動性の設定によって発生するもので、可動性が「スタティック(Static)」であるときのみ起きます。可動性は詳細パネルから確認できます。

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可動性「スタティック」とは、ゲームプレイ中にまったく移動しないアクタのための設定です。

 

「スタティック」は、移動しない=光の当たり方が変化しないということで、リアルタイムに影を描画せず、事前に影を焼き込むような仕組みになっています。
そのため、エディタ上でアクタを動かしたとき、影が残ってしまうのですね。


これを消すために、CubeMeshアクタの可動性を「Movable(ムーバブル)」に変更してみましょう。

可動性「ムーバブル」はゲームプレイ中に移動したり追加削除することを目的とした設定です。
そのためリアルタイムで影を更新してくれます。

変更したら、ライティングビルド(影の焼き込み作業)を実行します。ツールバーの「ビルド」項目の右にある「▼」を押して「ライティングのみビルド」を選択しましょう。

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ビルドが完了して、影が消去されていれば成功です。

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全部ムーバブル設定にしたら影を気にしなくて楽なのでは?

と思うかもしれませんが、実のところリアルタイムで影を更新するのは、かなり描画に負担がかかります。そのため、数百数千といった多数のアクタを扱うときは「動かないもの」をスタティック設定にする(負荷を減らす)のが一般的です。

試作品を作ったり、学び始めのときはまったく気にしなくて構いませんが、覚えておきましょう!

 

メッシュを配置する

なんとなくでもビューポートの基本的な操作がわかったところで、新たなアクタをレベルに追加してみましょう。

基本的な操作はドラッグ&ドロップです。

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エディタ左側の「アクタを配置」タブから「基本」項目を選択し、「キューブ」「スフィア」などをビューポートにドラッグ&ドロップして追加します。

 

UE4のバージョンによっては「モード」パネルとなっているかもしれません。

 

パネルが出ていない、消してしまった場合はウィンドウメニューから表示できます。

 

エディタ下部のコンテンツブラウザからもドラッグ&ドロップで追加できます。

コンテンツブラウザは左上部分の「ソースパネルを表示もしくは非表示」を押すことでツリー表示に切り替えられます。

 

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ためしに「StarterContent」の「Props」ディレクトリを開いてみましょう。

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Starter Contents フォルダが無い場合は、「コンテンツブラウザ」の「追加・インポート」から追加できます。「機能またはコンテンツパックを追加…」を選びましょう。
コンテンツパックの「Starter Content」から追加できます。

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 任意のスタティックメッシュをドラッグ&ドロップで配置してみます。
ここでは「SM_Chair」を配置しています。

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アウトライナのタイプ列を見ると、この「SM_Chair」や「キューブ」などは、スタティックメッシュは「StaticMeshActor(スタティックメッシュアクタ)」というアクタとして配置されていることがわかります。


いくつかメッシュを配置したり、動かしたりして操作感をつかんでください。

なお、レベルにあるアクタを複製するには、アクタを選択して「Shift」キーを押しながら座標を動かす方法がおすすめです。

 

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今回は以上です!
 
少しずつ操作に慣れていきましょう。
お疲れさまでした!